昨日書いた6月のニューヨークのメトロポリタンオペラ歌劇場(MET)は、ジェームズ・レヴァインとともに来日する。
「そう言えば、METのHPは充実している」とOTTAVA(24時間クラシック専門インターネットラジオ)で言ってたっけ」と思い出し、あれやこれや見ていたら、《ラ・ボエーム》第3幕のお試し動画があった(2008年4月5日の公演) 。
《ラ・ボエーム》第3幕:
"D'onde lieta" (告別のアリア)
アンジェラ・ゲオルギュー(ミミ)
さて、レヴァインである。今シーズンのMETは、「指環」のうち《ラインの黄金》と《ワルキューレ》が新演出で、前者はすでにシーズン開幕とともに成功裡に上演されたそうだ。(前の演出のDVDは「声楽史Ⅱ」の授業で毎年使っている。)日本にいながらにして《ラインの黄金》をMETライブビューイングで楽しんだ人も多いらしい。私はライブビューイングに出向いたことはないが。「指環」の指揮は当然レヴァインである。
そのレヴァインは、昨年の3月、背中の手術をするとの理由で、すべてのスケジュールをキャンセルした。人は「太りすぎ」(しばしば「レヴァイン」ではなく「シュヴァイン」(ドイツ語で豚)と称される)と勝手なことを言ってたが、真相はよくわからない。今シーズンは大丈夫なのかしら…。かく言う私も、このときのキャンセル騒動に巻き込まれたひとりである。
昨年3月3日、ベルリン・シュターツカペレ(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)の演奏会がフィルハーモニー(ホールのこと)で行われた。曲目はマーラーの3番(独唱:ワルトラウト・マイヤー)。レヴァインが初めてベルリンで振る、という触れ込みだったので、楽しみに早々とチケットを用意しておいたが、レヴァインはキャンセル、代わりに振ったのは音楽監督でレヴァインの盟友バレンボイムであった。バレンボイムが3番を振るのは初めてだったそうだが、2回の練習で乗り切ったとのこと。
フィルハーモニーでは最高の席(Block A links 10列目19番=正面ど真ん中、56ユーロ=本日ただ今現在6,141円)だったし、オケ団員もバレンボイムに報いようと一生懸命だったので、私としては大満足のコンサートだった。
このコンサートはチケットの振り替えの必要もなく、そのままフィルハーモニーに行けば済んだので事なきを得たが、2日後の3月5日のレヴァイン・キャンセルには大いに振り回されてしまった。その顚末はいずれまた…。
[終わり]