マーラーの交響曲第6番第4楽章では、巨大なハンマーが打楽器奏者によって振り下ろされる。完成当時の自筆スコアには青鉛筆で5回書き込まれたそうだが、3回に減らされて出版にいたった。現行の全集楽譜では3回目が削除され、ハンマーの登場は2回になっている。
この回数の変遷ついては、金子健志の『こだわり派のための名曲徹底分析 マーラーの交響曲』注1)に実に詳しい記述がある。私がこれまで生で見た演奏では2回が普通であったが、今日見たバーンスタイン&ウィーン・フィルのマーラー全集DVDでは3回であった。指揮者の判断でどちらの場合もあるようである。
★YouTube 動画
マーラー:交響曲第6番第4楽章終結部
バーンスタイン;ウィーン・フィルの演奏(マーラー全集)
→この動画では、2分02秒のところで、3回目のハンマーが打ち下ろされる。
それにしてもこのハンマー、奏者がステージ上で振りかざした時はドキドキするが、このところ、トンとお目にかかる機会がない。久しぶりにコンサートで見てみたいものである。
※注は「続きを読む」をクリックしてください。
注1)
金子健志著『マーラーの交響曲 (こだわり派のための名曲徹底分析) 』
音楽之友社、1994年 ※絶版です。
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